国土交通省ホームページ等より）
① コンクリート橋上部工（桁、床板、高欄）
塩害によるコンクリート橋（主桁）の損傷ー野辺地橋：青森県上北郡野辺地町ー
平成19年の点検（橋齢：52年時点）で損傷発見 管理者：青森県
主桁にひびわれ、剥離・鉄筋露出が生じてた。海浜地域であるため、塩害により損傷が進行していると考えられた。このため、重量規制を行うとともに、補修・補強工事を行った。
| 橋梁名 | 野辺地橋 |
|---|---|
| 路線名 | 馬門野辺地線 |
| 橋梁位置 | 青森県上北郡野辺地町橋 |
| 橋梁型式 | ４径間RCT桁橋 |
| 橋長 | 94.66m |
| 全幅員 | 7.7m |
| 竣工年度 | 1955年 |
| 交通量 | 10,834台/日 |
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平成19年の橋梁点検において損傷を発見しました。6t重量規制を実施した後も、新たな損傷・ひびわれの発見やひびわれ幅の変動に注意しながら、継続してひびわれ調査を実施しました。重量規制を解除するため、主桁に鋼板接着を実施、耐力の向上を図りました。
（損傷発見者・点検者 樋口淳一さん）
塩害によるコンクリート橋（床版）の損傷ー北蔵橋:山形県鶴岡市ー
平成17年の点検（橋齢：33年時点）で損傷を発見 管理者：山形県
塩害によってコンクリートの剥離と鋼材の露出など、床版に著しい損傷が生じているのが発見された。このため、片側交互通行として、上部工の架替工事を行った。
| 橋梁名 | 北蔵橋 |
|---|---|
| 路線名 | （主）藤島由良線 |
| 橋梁位置 | 山形県鶴岡市油戸 |
| 橋梁型式 | PC床版橋（架替工事前はRC床版橋） |
| 橋長 | 5.1m |
| 全幅員 | 7.0m |
| 竣工年度 | 1972年 |
| 交通量 | 1,999台/日 |
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この損傷は、山形県が発注した平成17年度の橋梁点検で、委託業者が発見しました。当初点検対象橋梁は、架設後30年経過及び橋長10m以上としていましたが北蔵橋は海岸に隣接しており塩害による劣化が著しいと判断し、本来対象外でありましたが点検を行い、損傷を発見しました。
塩害によるコンクリート橋（床版）の損傷ー村中橋:石川県鳳珠郡穴水町ー
平成20年の点検（橋齢：49年時点）で損傷を発見 管理者：石川県
床版にひびわれ、剥離・鉄筋露出が生じている。海浜地域であるため、塩害により損傷が進行していると考えられる。このため、片側交互通行規制および重量規制を行っている。
| 橋梁名 | 村中橋 |
|---|---|
| 路線名 | （主）主要地方道 能都穴水線 |
| 橋梁位置 | 県鳳珠郡穴水町 |
| 橋梁型式 | RC床版橋 |
| 橋長 | 6.0m |
| 全幅員 | 10.1m |
| 竣工年度 | 1959年 |
| 交通量 | 900台/日 |
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当初事例については、平成20年度の橋梁定期点検時に発見したもので、現在、通行規制などを実施するとともに対策工を検討しているところです。地元区長さんからは、『事故がなかったことが幸いであるが、鉄道も廃止され集落住民にとって唯一の生活道路であり、1日も早く元通りにして欲しい』との要望であり、県としても集落住民の協力を得て平成21年度の工事完成を目指しています。
（穴水町古君区長 館 盛行さん）
塩害によるコンクリート橋（主桁）の損傷ー興亜橋:広島県竹原市ー
平成17年の点検（橋齢：53年時点）で損傷を発見 管理者：広島国道事務所
主桁のひびわれ、剥離・鋼材の露出が生じている。海浜地域ではあるため、塩害によりPC鋼線が腐食し、コンクリートに断面欠損が生じている。放置した場合、落橋の恐れがあったため、補修工事を実施した。
| 橋梁名 | 興亜橋 |
|---|---|
| 路線名 | 一般国道 185号 |
| 橋梁位置 | 広島県竹原市 |
| 橋梁型式 | 単純PCプレテンT桁橋 |
| 橋長 | 14.5m |
| 全幅員 | 11.0m |
| 竣工年度 | 1952年 |
| 交通量 | 10,975台/日 |
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橋梁定期点検において「緊急対応の必要がある（E1判定）」に判定されており、直ちに電気防食工、アラミド繊維シート接着工等による補修工事を実施し、点検と同年度に対策が完了しています。
（管理者：広島国道事務所 西条維持出張所長）
塩害によるコンクリート橋（主桁）の損傷ー中学橋:沖縄県名護市ー
平成17年の点検（橋齢：53年時点）で損傷発見 管理者：名護市
| 橋梁名 | 中学橋 |
|---|---|
| 路線名 | 名護市道屋部1号線 |
| 橋梁位置 | 沖縄県名護市屋部 |
| 橋梁型式 | RC桁橋 |
| 橋長 | 19.8m |
| 全幅員 | 4.5m |
| 竣工年度 | 1952年 |
| 交通量 | 850台/日 |
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中学橋については、平成17年屋部中学・PTA・屋部区長より橋の老朽化により重量車両の通行を禁止にして欲しいとの要請があったため、名護警察署・地域住民に対し説明会・文書通知・広報で呼び掛けた上で、4トン以上の車両の通行規制を行いました。現時点では、隣接橋梁への迂回が可能であり、渋滞等2次的被害及び地元からの生活への支援についての報告も特にありません。また、当該橋梁については鉄筋のかぶり厚、塗装鉄筋の使用等により塩害に配慮した架け替え工事を行っています。
（管理者:名護市 職員）
床版のひび割れ、剥離、鉄筋露出ー倉谷橋:島根県江津市ー
平成19年の点検（橋齢：48年時点）に住民からの通報に基づく調査で損傷発見 管理者：江津市
| 橋梁名 | 倉谷橋 |
|---|---|
| 路線名 | （市）浅利黒松線 |
| 橋梁位置 | 島根県江津市 |
| 橋梁型式 | コンクリート床版橋 |
| 橋長 | 10m |
| 全幅員 | 3.94m |
| 竣工年度 | 1959年 |
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平成19年10月に住民からの通報を受け調査を実施した結果、床版の剥離・剥落を発見しました。本橋は当地域の重要な生活道路であると共に、海水浴場へのアクセス道ですが、現在２t以上の通行規制をしており、周辺地域への影響が大きいため、今後速やかに架け替えを行う予定です。点検時には、すぐにも崩落しそうな状態で大変驚きました。このことを受けて、当市が管理する全ての市道橋についても急遽、点検・調査を実施しています。
（管理者 江津市 地域整備課 主任）
床版のひび割れ、剥離、鉄筋露出ー溝橋:広島県廿日市市ー
平成18年の点検（橋齢：54年時点）で損傷発見 管理者：広島国道事務所
塩害の影響で全面的にコンクリートのひびわれ、剥離・鉄筋露出の損傷が見られ、鉄筋の腐食による破断も生じていた。橋梁構造の安全性の観点から、早急な補修を行う必要があり、車両規制を行って補修工事を実施した。
| 橋梁名 | 溝橋 |
|---|---|
| 路線名 | 一般国道2号 |
| 橋梁位置 | 広島県廿日市市 |
| 橋梁型式 | 単純RC床版橋、RCT桁橋 |
| 橋長 | 4.0m |
| 全幅員 | 14.3m |
| 竣工年度 | 1952年 |
| 交通量 | 46,835台/日 |
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5m以下の橋梁においても、定期的な点検が必要であると考えます。
平成18年に定期点検を実施した結果、早急に補修の必要がある事が判明しました。補修は、幹線道路である国道2号を終日車両規制で行うため、プレキャスト埋設型枠等を使用して、早期の交通開放に努めました。
（管理者:広島国道事務所 広島維持出張所長）
② コンクリート下部工（橋台、橋脚）
コンクリート橋脚の剥離、鉄筋露出ー境橋:千葉県市原市
平成18年の点検（橋齢：38年時点）で損傷発見 管理者：千葉国道事務所
コンクリート橋脚にひびわれ、うき、剥離・鉄筋露出が生じている。海岸に近く、鉄筋の腐食も生じており、このまま腐食が進行した場合、橋脚の耐荷力が低下し、通行止め等の措置を講ずる必要が懸念されるため、平成23年までに完了を目標に補修を行っていく予定である。
| 橋梁名 | 境橋 |
|---|---|
| 路線名 | 一般国道16号 |
| 橋梁位置 | 千葉県市原市 |
| 橋梁型式 | 単純PCポステンT桁橋×３連 |
| 橋長 | 62.74m |
| 全幅員 | 12.6m |
| 竣工年度 | 1968年 |
| 交通量 | 39,595台/日 |
コメント
- 本橋は海岸線に近く潮の干満の差が大きいのを利用し、干潮時に点検することで梯子で点検することができたが、日時と時間帯が限られるため日程調整について苦労しました。（点検者）
- 補修設計のポイントとして、コンクリート中への塩分浸透を防ぐために樹脂系塗装を施し長寿命化を図る方針です。(設計コンサルタント）
③ 鋼橋のコンクリート床板
詳細な状態の把握が必要な事例
④ 耐候性鋼橋
崩落原因と教訓
[原因]
- ファーン・ホロー橋の橋脚には、点検報告書に記録されている重大な劣化と断面損失が発生してい た。劣化と断面損失は水分と瓦礫の継続的な蓄積によって生じ、無塗装耐候性鋼材ではそのような腐食に耐える保護層の緑青（ろくしょう）の形成が妨げられていた。（凍結防止剤の塩による腐食もある）
- 不完全なメンテナンス問題（点検報告書ではメンテナンスが必要であると指摘されているにも拘わらず実施していない）
[教訓]
- 無塗装耐候性鋼材に対して適切なメンテナンス作業を実施しないと、重要 部材の腐食損傷、劣化、断面損失が発生し、橋梁の安全性と耐用年数が低下する可能性がある。
- 国家運輸安全委員会 NTSB は、連邦道路庁 FHWA がリスク重視型で、かつデータ中心型の処 理方法を開発し、州交通局、幹線道路橋を維持・管理する連邦機関や部族政府による処理方法の使用材を奨励し、道路橋を特定し、優先順位付けを行い、さらに無塗装耐候性鋼を備えた道路橋の点検で記録・指摘された追跡措置を実行できるようにする事を推奨する。